「ソナーレ祖師ヶ谷大蔵」ライフマネージャー座談会・後編(社員インタビューVol.2)

更新日:2018年09月06日

ライフマネージャー鼎談

ホームの場所を地元に無料開放して地域交流。口コミでさらに地元の入居者が増えた

前編で、初代ライフマネージャーの山田さんから地元・祖師ヶ谷大蔵や成城から入居される方が多いと伺いました。ご入居者のこれまでの社会性が失われないように地域との関わり合いに腐心されたとのことですが、「ソナーレ祖師ヶ谷大蔵」がオープンから2年半が経ち、地域への取り組みが深まってきたと感じることはありますか?

山田

昔から祖師ヶ谷大蔵に住んでいらっしゃる外部ボランティアの方が、「ソナーレ」に来られたことがありました。子どもの頃、近寄るのも嫌なぐらい怖かった友だちのお母さんが実は「ソナーレ」のご入居者で、ここで偶然お会いされたのだそうです。

ご入居されている友だちのお母さんは認知症になられていたこともあり、昔の怖さがなかったからなのだと思いますが、ニコニコ笑顔の絶えない表情を見て「イメージが180度変わった」とおっしゃっていました。地域の方との交流があると、「昔はこういう方だったんですよ」と、ご家族から聞けない話も伺えたりしますね。

海老原

私は生活相談員も兼務しているので、入居当日にご本人とご家族を案内させていただくことが多いのですが、入居してみたら「あら! あなたも入っていらしたの?」という偶然のご対面が起きることもあります。

わざわざホームに入居する話をよその方にはしないですしね。

海老原

そうなんです。ありがたいことに、「『ソナーレ』さんの話を地元の方から聞いたので、自分の母を入れてみたい」と言ってくださる方もいて。今、地元の方の入居相談が非常に多いです。これは、初代ライフマネージャーである山田さんが取り組んできた地域交流の深まりが、2年半経って実を結んでいるのだと思います。

一番良いのは地元の口コミで広まることですもんね(笑)。

海老原

本当にそれが一番なんですよ(笑)。先日、ご入居者と看護師が近所のクリニックに通院に行った際、待合室で看護師がこんな話を耳にしたそうです。

ご婦人お二人のうち、お一人が「夫のショートステイをよその施設にお願いしていたのだけど、今度は『ソナーレ』さんにしようと思う。『ソナーレ』さんは、すごくいいらしいわよ」とおっしゃったそうです。それを聞いた看護師は思わず背筋が伸びた上に、私たちの知らないところで良い噂をされたことがとても嬉しかったようで、帰ってすぐに報告してくれました。実はそのご婦人、こちらでレクリエーションイベントをされる地域団体の関係者の奥さまだったようです。

山田

レクリエーションイベントは、開設当初からこの1階のグランドダイニングを地域に開放して、地域の皆さまにお使いいただく代わりに、「ソナーレ祖師ヶ谷大蔵」のご入居者も参加させていただく形で続けています。ピアノコンサートや落語など、毎月さまざまなイベントでお使いいただいていまして、私たちも楽しいです。

今、「ソナーレ祖師ヶ谷大蔵」は、平日にほぼ毎日レクリエーションがあります。実はレクリエーションを続けていくと、必ずそれを担う人手不足の問題にぶつかるのですが、地域連携することで外から人が入って来られる。自ずと、レクリエーションのバリエーションも増えていきます。

場所を開放するかわりに、ご入居者もスタッフもレクリエーションに交ぜていただいています。当社のスタッフの企画するレクリエーションも多いですが、外部の方に行っていただくと、時々スタッフを休ませられたり、逆に楽しめるという良い面もあるんですよ。

レクリエーションの空間はご入居者・ご家族、そしてケアスタッフも共有できるように

お話を伺っていて、ふと気づいたのですが、お三方ともケアスタッフではないですよね。他のホームですと、レクリエーションの立案はご入居者に一番近いケアスタッフがされることが多いのでは?

海老原

一般的なホームでは、まずレクリエーション委員会のようなものがあって、その会議が残業になって、役割を決めてみんなで準備することがさらに残業になります。会社から毎日レクリエーションをすべしという通達がケアスタッフまで下りてきて、ケアスタッフの疲弊を招いてしまうことが結構あるんです。あとはケアスタッフに企画立案の適性がなくても、業務であればやらざるを得ないので、本人にとっては精神的に負担になることもあります。

小堀

「毎日やらねばならない」という義務になってしまうと、体操や風船バレーなど、どこにでもあるような最低限のレクリエーションが乱立する状態になってしまう。すると、ご入居者のレクリエーションの選択肢も自然と少なくなってしまう。

一方「ソナーレ」のレクリエーションはご入居者のご意見が主体となってできています。ライフマネージャーがきちんとアセスメントしてお話を伺っているからこそ可能です。だからレクリエーション当日は、入居者の方もケアスタッフも楽しめるのではないでしょうか。

海老原

ケアスタッフには、レクリエーションの現場を楽しんでもらって、いいとこ取りしてもらいたいですね。

小堀

レクリエーションの企画立案、予算取り、運営の準備って、すごく大変なんですよ。ただでさえ日々の業務でケアスタッフは大変なのに、そこに予算取りや運営準備が入ってくると、ご入居者のお風呂の時間を調整して......ということも出てくる。

一番大変な段取りの部分はこちらで引き取って、レクリエーションの時はご入居者が楽しんでいる空間を共有してほしいなと思います。日頃一緒にいるケアスタッフも嬉しいでしょうし、ご家族も嬉しいですよね。

ライフマネージャー初代から3代目まで、糸口は

ライフマネージャーとして意識していることや課題感を教えてください。

海老原

他職種との連携を重視しています。私は小堀さんのように作業療法士でもありませんし、看護の専門知識もありません。ご入居者の夢のお手伝いをするにしても、実現の前に何が必要なのか。リハビリが必要であれば、小堀さんにどれくらいのことが望めそうなのかを伺いますし、医療的なリスクについては看護師に聞き、普段の様子についてはケアスタッフに伺います。「他職種にまず聞く」ことは意識していますね。

一方で課題感も感じています。先ほど、小堀さんと私でレクリエーションの立案や段取りなどはライフマネージャーで引き取るという話をしましたが、ライフプランの作成をライフマネージャーのみが行うことは、果たしてご入居者にとって本当に望ましいことなのか。ご入居者を一番近くで見ているケアスタッフが主体的にライフプランを立てることが、実はご本人のためになるのではないかと感じたりもしています。

介護現場の主役はやっぱりケアスタッフであってほしいという思いがあります。ケアスタッフを立てた時に、私はライフマネージャーとして、どんなアプローチができるのか。私がどのようにコミュニケーションを取れば、ケアスタッフにもライフプランの作成をお手伝いしてもらえるのか。そこは今、試行錯誤しながら取り組んでいますね。

3代目ライフマネージャーの海老原さん

海老原信吾

「ソナーレ祖師ヶ谷大蔵」3代目ライフマネージャーで現職。生活相談員。25歳でシンガーソングライターの夢を断念し、祖母の影響でジュエリー業界に転職する。店長職、全社商品管理の要職を務める間、祖母とお客様の介護の様子に期するものがあり、介護業界へ。大手介護事業者にて介護福祉士1年、ホーム長1年強を経験。初代ライフマネージャー・山田のインタビュー記事を読み、「ソナーレ祖師ヶ谷大蔵」に転職した。


小堀

「ソナーレ」のケアスタッフはやる気のある方が多いので、「ご入居者がこんなことをおっしゃっていたのですが、何とかなりませんか?」「一緒に考えてくれませんか?」と相談に来てくれます。熱意のあるケアスタッフと一緒にライフプランを作り上げていけたらというのは、私もすごく感じますね。実際にケアスタッフは介助をしながら、ご入居者のポロッと心情を吐露した言葉などをたくさん知っていますし。

山田

今、ポロッと話すという話が出ましたが、ご入居者がポロッと話された言葉を、自分がしっかり掴んでご入居者と会話をしていけるのか。私がライフマネージャーとして意識したのは、その部分でした。話の引き出しをできるだけ持っておくようにしましたね。

ご入居者の中には海外出張の多かった方もいらっしゃいますから、その方には海外ニュースの情報を。日本の政治や経済の話はもちろんですが、芸術、スポーツなど、さまざまな方とあらゆるジャンルのお話ができるよう、日々の出来事に関心を持つようにしています。

ご入居者の方が生きてこられた世界は、私たちが生きてきた世界とはまったく違います。戦争を体験された方はもちろん、実際に戦地に行かれた方もいらっしゃる。体の状態や会話の有無、認知症のあるなしなど、人それぞれではありますけど、まず一人の人間として、尊敬の念を持って接することを心がけました。

会話の中から糸口を見つけるお話でしたが、ご入居者によっては、たくさん情報提供をしてくださるご家族もいれば、まったく提供してくださらないご家族もいらっしゃると思います。情報の少ない入居者の方には、どのような形でお話をしましたか?

山田

その方が、会話ができるかできないかにもよりますが、できなければ何も情報のないところから探っていきます。レクリエーションや日頃接するなかで、この方はどういう場面で笑顔が増えるのか、観察することが大切ではないでしょうか。ご家族から情報をいただければすごく助かりますが、何も情報のないなか、探っていくこともライフマネージャーの醍醐味ですよね。

小堀

それが腕の見せどころですね。私はリハビリを担当する作業療法士を兼務しているので、ご入居者の身体や精神の状況、ご自身で身の回りをどれだけできるかという、ADLや病気の知識などからしっかりと情報を精査することを大切にしています。

その方の過去のお話を聞ければよいのですが、それだけに頼らず、目の前で起きている今の情報を頭に入れるようにしていますね。言葉でのコミュニケーションが上手に取れなくても、ケアスタッフとのやりとりとか、表情や身体から訴えてくるものとか、言語以外の情報をきちんとキャッチすること。あとは、自分ではわかりにくい1日の生活の流れや1ヶ月スパンでの気持ちの変化などは、看護師やケアスタッフから情報収集しますね。

安心安全な暮らしをベースに、夢は旅行のお手伝い

今後も「Life Focus」を充実させるために、ライフマネージャーとして、やってみたいことを教えてください。

山田

私は今、本社におりますので、ライフマネージャーの肩書は外れています。ですが、2年間現場を経て感じたのは、ライフマネージャーになりたい人を社内だけでなく社外でも増やしていきたいです。そのためには、ライフマネージャーという職種が魅力的に映らないといけませんので、現場を盛り上げるためのお手伝いをしていきたいです。

小堀

海老原さんや私がお話した成功事例は、ご入居者の一握りだと思います。元気で趣味を続けられる方は数が限られていて、多くはギリギリの生活を送られた在宅や、病院を経て来られた方ばかりです。生活のベースが整わない方、趣味にトライしたくてもできない身体状況の方もいらっしゃいます。

その方たちのケアやサービス向上のために、ケアスタッフや看護師はもちろんですが、お掃除のクリーンスタッフ、用務スタッフも真剣に取り組んでいます。熱い志のある仲間をもっともっと育てながら、まずはホームでの生活なかで、安心安全に過ごしていただきたいですね。

海老原

今、小堀さんがおっしゃったことは、生活の基本的な部分を本当の意味で大事にしようということです。私もいつも肝に銘じています。

それ以外にも、個人的にやってみたいことがあります。例えば、旅行が趣味の方が、現状では難しいけれども、小堀さんたちの力を借りてリハビリでADLが向上して、もしかしたら旅行に行けるかもしれないとなった時に、そのプランをご家族、スタッフさんを巻き込んで旅行が実現できたら、とても面白いと思うんです。机上の空論かもしれない。でも、大きなお手伝いをすることは夢見てしまいますよね。

小堀

実際にご入居者のそのような姿を、私たちも見たいですしね。それが、スタッフのやりがいにもつながっていくし。

海老原

私たちライフマネージャーだけが必死になって、ご家族を呼んで「さあ、行きましょう!」というのではなく、一番ご入居者に近いケアスタッフや看護師の気づきから出てきた案だったら、本当に素敵なことだと思うんです。そうすればケアスタッフも、もっと主体的にケアに取り組めるはずです。そんな素敵なライフプランを実行できそうな方が一人でも二人でも出てきたら。今から考えてもワクワクしますね。

これが最後の質問です。ライフマネージャーという仕事に興味をもたれたかたへのメッセージをお願いします。

山田

ライフマネージャーの心構えについて、3つお伝えします。

1つ目は、常にご入居者のほうを向いて仕事をすることです。
会社のため、自分のためではなく、ご入居者様のためにたくさん汗をかいてください。

2つ目は、自分の周りに存在する「ヒト」と「モノ」と「コト」に興味を持つことです。
好奇心を常に全開にして取り巻く人々(ご入居者とそのご家族、地域の方々、スタッフ等)と接することで、色々なアイデアが浮かび、新しい「モノ」や「コト」に発展していきます。

3つ目は、ユーモア感覚とサービス精神を大事にすることです。
ご入居者に楽しく過ごしていただくには、先ずは自分が仕事を楽しむ必要があります。
何事も細部にこだわりを持って、遊びの感覚を大事に仕事をしてください。

そして、一緒に働く仲間と共に考え、行動し、「Life Focus」の実現を目指しましょう!

「ソナーレ」および「ライフマネージャー」はソニー・ライフケア株式会社の登録商標です。

「ライフマネージャー」は、ライフケアデザイン株式会社が運営する有料老人ホームにおける職員の呼称です。

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