皆様、こんにちは！
ライフマネージャーの髙橋です。

さて、"Life Focus"（LF）を形にするための取り組みをご紹介するこのシリーズ。
今回は、気分が塞ぎがちだったご入居者に対し、LFの取り組みをとおして、意欲を取り戻すきっかけ作りを行ったケースです。

このところは、アクティビティやお散歩にお誘いしても、何となく気乗りされないご様子が続いたS様。
ご家族からも、
「近ごろ元気がないのが心配で…。どうしたらよいかと思って」
とのご相談を受けました。

もともと食べることが大好きなS様。
お仕事をされていたころは、「よく池袋のお寿司屋さんに、後輩を連れて食べに行ってたのよ」と、お話されていました。

大好きなお寿司。うれしい時や元気を出したいときに召し上がっていたようです。
ならば、今もその時では？お寿司で元気づけることはできないだろうか。
外出が難しければ、お寿司屋さんから出前を取ってはどうだろうか…？

そう考えたS様のPA（パーソナルアシスタント：ご入居者個別担当スタッフ）は、ナーススタッフに相談を持ち掛けました。
健康状態が思わしくない場合、飲み込む力にも影響がでることがあるためです。

「何とか、大好きなお寿司を安全に召し上がっていただくことはできないでしょうか？」
そう問いかけるPAに、ナーススタッフは、
「そのままの形でお出しするのはリスクがあるけれど、ひと口の大きさにカットしてお出しすれば、美味しく召し上がっていただけるでしょう。もちろんお食事中は、安全に配慮して見守ります」
力強い返答に、勇気をもらったPA。早速、S様をお誘いしてみました。
「お寿司？いいわね。ぜひ、食べたい！」と、満面の笑みをお見せくださいました。
そうとなっては！
浜田山界隈で評判のお店に出前を注文したのでした。

いよいよ、お待ちかねのお寿司が到着しました！可愛らしく小さめにカットしてあります。
いかにも美味しそうなお寿司を目の前に、今度は輝くような笑顔をお見せくださったS様。
PAもつられて笑顔で応えます。
「どれから食べようかな？」
と、幸せな選択に頭を悩ます。
「中トロからにしよう。いただきます！」
ひと口頬張ったお顔のうれしそうなこと。
その後もどんどんとお箸が進み…。

驚くほどの食欲をお見せになりました。
「久しぶりに食べたけど、やっぱりお寿司屋さんのはネタが違うね。あ～、おいしかった！」
と、すっかり元気を取り戻したご様子でした。食後には、
「今度は鰻だね！」 と、早くも次回への期待を膨らませたS様でした。

好物を召し上がることで、前向きな気持ちを取り戻す契機となった今回のケース。
S様に対する取り組みはまだ始まったばかりですが、今後もご本人の想いに寄り添いながら、食を通じて元気で活力のある健康づくりをサポートしていきたいと考えております。


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