2024/10/03
桔梗に秘めて
こんにちは。ホーム長の三輪です。
ソナーレ駒沢公園では様々なアクティビティを行っておりますが、私は1か月に2回の「ガーデニング」を担当しています。
季節の草花をご用意して一緒に植えたり、手入れをしたりというのが主な内容です。ただ、その際には、その植物の特徴、季節、原産地、名前の由来、花言葉、詠まれた歌などをお伝えして、より深く味わって頂けるようにしております。
草花を愛でていると、その瑞々しい香りや柔らかい手触りから、あるいは土の温もりから、皆さま様々なことを思い出されるようです。私も、土いじりをしながら、そのお話を伺うことが密かな愉しみでもあります。
9月のガーデニングでは、桔梗(キキョウ)を扱いました。星形の花弁に、澄んだブルー。何とも可憐で、爽やか。参加者皆様からも非常な人気がございました。
私から、ご入居者に或るクイズを出させて頂きました。それは、「いままでの生涯で、桔梗を贈られたことがある方!?」
御一方が手を挙げられました。
「それは、とても素敵なことですね。桔梗の花言葉をご存知でしょうか?」
皆さま、ご存知ないようでしたので、答え合わせ。
「桔梗の花言葉は、『永遠の愛』『変わらぬ愛』です」。
手を挙げていらしゃったご入居者は可愛らしく頬を赤らめて、周囲の入居者(女性が主です)は「まあ!」と歓声のような若やいだ声をあげられました。
「贈られたお相手の方は、どのようなお気持ちで桔梗を贈られたのでしょうか。」様々なコメントが行き交います。
アクティビティ、例えば百人一首などでは、「恋」のテーマは大人気。
言葉すくない方も、遠慮深いかたも、何処か煌めきを示されるテーマなのですね。日々、語ることがなくとも、ご入居者皆さまは様々な思い出を秘めていらっしゃるようです。
季節の移いのなかで、お花を愛でた思い出。
渡り鳥の様に自由に憧れた幼少時代の思い出。
家族で浜辺で海風を楽しんだ思い出。
そして大切な方と月を見上げた思い出。
どの思い出もかけがえなく、その方だけの秘密の思い出。
草花のチカラをかりて、そんな甘く、美しい思い出が、たのしめる。私の「ガーデニング」ではそんな秘めたテーマをもっています。
御近くで、風にそよいでいるそのお花は何方かのお気持ちがこめられているかもしれません。是非、花言葉を調べてみてくださいね。