世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症。両親に会いに行きたくても、感染が気がかりで会いに行きづらい方も多いのではないでしょうか。感染予防に気を遣っている方でも、両親や年配の方に会うときは不安になってしまうもの。
それに感染予防をしているといっても、「本当にこの方法で良いのか?」と疑問に思っている方もいらっしゃると思います。
そこで、日頃から新型コロナウイルス感染症だけでなく、インフルエンザやノロウイルスなどの感染予防を徹底している介護付有料老人ホーム「ソナーレ」を運営するライフケアデザインに話を聞きに行きました。日頃の感染予防、両親に会うときに気をつけたほうが良いことなどについて教えてもらいました。
手洗い、手指消毒、うがい、マスクの着用など我々も日頃行っていることにも、細かい違いが。今一度気を引き締める意味でも、最後までご覧ください。
※ライフケアデザイン株式会社は、有料老人ホームを運営する介護事業者で、ソニーフィナンシャルグループの介護事業を統括する持株会社ソニー・ライフケア株式会社の100%子会社です。
はじめに、ソナーレが面会前に家族にお願いしていることを紹介します。老人ホームは新型コロナウイルス感染予防を徹底している場所です。両親に会いに行く場合の参考になると思います。
面会前、面会時は上記を徹底しているそうです。ポイントは、面会前、面会時、面会後の3つに分類されること。どうしても会うときのことばかり気にしてしまいますが、1週間前からお互いの体温を測ったり、体調管理したり万全を期すことで不安も軽減しそうです。
面会時は、居室など生活空間などへは立ち入り禁止とし、特定の場所のみを開放すること、距離をとってななめに座ることも取り入れられるものではないでしょうか。またソナーレでは、換気と加湿の対策に加えて、除菌・消臭効果のあるオゾン除菌機の設置もしています。換気や加湿は、冬場はとくに見逃しがちなので、改めて注意をしたほうが良さそうです。
次に紹介するのは手洗い、手指消毒、うがい、マスクの徹底について。日頃から当たり前に行っている感染予防にもちょっとした違いがありました。
老人ホームで働いているスタッフが行っている、手洗い、手指消毒、うがい、マスクの徹底を紹介します。我々も日々行っている感染予防ではありますが、だからこそ、入念な方法を知る意味がありますし、抜け漏れがあるかもしれません。
手洗いは厚生労働省が公開している「正しい手の洗い方」にのっとった方式です。ポイントは「指先」「指のあいだ」や「爪」「手首」まで洗うこと。つい「手のひら」を中心に洗ってしまいますが、指先はいろいろな場所を触っており、菌が付着している可能性が高い箇所です。忘れがちなのが「手首」です。手首は、手と同様、肌が露出していて菌が付着しやすい箇所なので入念に洗う必要があります。
そして、洗った後はしっかりと拭くこと。しっかりと拭かないとその後のアルコール消毒の効果が薄れることになります。また、共同で使っているタオルは菌が付着している恐れがあるため、ペーパータオルで拭いているそうです。
ペーパータオルの置き方にもポイントがありました。通常、ペーパータオルホルダーは洗面台などに直接置かれていることが多いですが、これだと、ペーパータオルを上から引き上げることになり、濡れた手から水滴が奥のペーパーにも浸透し、菌が付着する恐れがあるので、ペーパータオルホルダーを壁などに設置して使うのが良いとのこと。
しっかり拭いたあとはアルコール消毒です。アルコール消毒は気付いたときにこまめに何度も行うことが大切。そのため、ソナーレではいたる場所に手荒れのしにくいアルコール手指消毒液が置いてあります。
また、手洗い石鹸やアルコール消毒や水道の水は、手を近づければセンサーが検知して自動で出るタイプを使用していました。
ソナーレでは、うがいは低い位置で吐くことを意識したり、紙コップに吐いて捨てたりすることを徹底しているそうです。これは、うがいをして吐くときに菌を飛び散らしている可能性があるため。
マスクは入館時に新しいものに替えているそうです。捨てる際には、内側を触わらないように捨てることがポイントとのことでした。
日頃、入念に手洗い、手指消毒、うがい、マスクの徹底をしている方でも、抜け漏れしている箇所があったのではないでしょうか。次に、ソナーレで働くスタッフが実践している感染予防対策について紹介します。
この章では、プロが実践していて我々も取り入れられそうな感染予防対策を紹介します。新型コロナウイルス感染症だけでなく、インフルエンザやノロウイルスなどの感染予防にもなる対策なので、まずは1度目を通してみてください。
自分でも気付きにくい体調の変化を知るのに体温は重要です。そのため、毎日2回体温を測ります。ポイントは、起床時、就寝前など時間を決めること。特定の時間帯の平熱を把握することで、平熱と発熱したときとの差が分かりやすくなります。
服に菌が付着している可能性があるため、家の玄関にはハンガーがおいてあります。オゾン除菌機も置いているスタッフや、家に着いてすぐお風呂に直行して身体を洗うスタッフもいるそうです。
トイレをそのまま流すと排泄物に含まれた菌が舞ってしまい、そこから感染する恐れがあります。そのため、トイレの蓋は閉めて流すことを徹底。また、トイレの照明スイッチは菌が付着しやすいので電気はつけておくか、人感センサータイプを導入しています。
どれだけ感染予防をしても可能性はゼロではありません。そのため、もしもに備えて自宅内での隔離ゾーンを決めています。また隔離ゾーン付近には、隔離されている人が使用する備品なども用意も。
自宅でも空気の入れ換えこまめに行っています。また、各部屋に加湿器も導入をしているとのこと。オゾン除菌機も置いているスタッフもいるそうです。
最後に、両親に会うときに気をつけたほうが良いことをチェックシート形式でまとめました。画像をダウンロードするなどしてご活用ください。
なお、このチェックシートは、すべてを必ず実行しないといけないものではありません。取り入れられるものを取り入れていくことが大切です。
日頃から新型コロナウイルス感染症だけでなく、インフルエンザやノロウイルスなどの感染予防を徹底している介護付有料老人ホーム「ソナーレ」の吉野さんに、感染予防、両親に会うときに気をつけたほうが良いことなどについて教えてもらいました。
老人ホームでの面会時のルールや、プロが行っている予防方法などで取り入れられるものを取り入れて、感染予防をしていただければと思います。
最後になりますが、実際に会うときに重要なのは本人、両親の体調です。とくに、離れて暮らす両親の体調を把握しておくことが重要となります。老人ホームであれば、プロが食事量や水分摂取量、活気(いつもの様子と違わないか)、睡眠チェックなど様々な観点で体調管理をしてくれますが、離れて暮らす両親の体調を詳細に知ることは難しいです。
両親共々、日頃から、栄養のあるものをしっかり食べ、水分(食事以外で1日1,500ccが目安)をきちんととり、適度な運動をして健康でいることもまた感染予防なので、この記事をきっかけにより健康への意識にも目を向けることが大切です。