歳を重ねると、ふとしたときに“老い"を感じるようになります。
コロナ禍によるテレワークの推奨により、終日家にこもりきりになることも多い日常で、肩こりがひどくなったり、腰に痛みを感じたりする頻度が増えた方も多いのではないでしょうか。

そんな人におすすめしたいのがストレッチです。ストレッチをすることで、身体がリセットされコンディションが良くなります。また、ストレッチは道具もいらず、やりたいときにすぐできて、時間もかからないのも魅力のひとつです。

そこで今回は、仕事の合間にできる簡単なストレッチを5つ紹介します。教えてくれたのは、介護付有料老人ホーム「ソナーレ」で、入居者のリハビリテーションなどを行って日々の生活を支えている作業療法士の吉田さん。習慣にして身体をリセットしましょう。

吉田 圭 さん
作業療法士歴15年、北海道出身です。前職は乗馬のインストラクターをしていました。作業療法士の資格取得後、病院や老人保健施設の勤務を経て有料老人ホームに勤めています。趣味は登山、ワイン、コーヒーです。

ストレッチのポイント

まずは、ストレッチを始める前にストレッチをするときのポイントを紹介します。

気軽にできる5つのストレッチを紹介

それでは、簡単にできるストレッチを5つ紹介します。今回ご紹介するストレッチは、日頃動かしにくい身体の部位をリセットすることがメインです。すべてイスに座った状態でできるものなので、仕事の合間などに試してみてください。

脇腹のストレッチ①

①足を少し開く
②背筋を伸ばす
③左肘を真上に上げて右手で左肘を掴む
④右手で左肘を引き寄せながら右に倒す
⑤脇腹がピーンと伸びているのを感じたら状態を維持しながらゆっくりふた呼吸
⑥左右を変えて同様のストレッチを行う

注意点

腰痛の原因となる筋肉に効くストレッチ
骨盤周りの筋肉をほぐして骨盤の動きを改善します。骨盤の動きが良くなると、身体の動きが大きくなり、若々しくなります。

肩甲骨を中心に胴体を動かすストレッチ②

①手を前に組む
②下を向く
③お腹を引っ込める
④(そうすると)背中が丸くなるのでこの状態を維持しながらゆっくりふた呼吸
(背中と腰の後ろ辺りの前後左右に張りが感じられればOK)


このストレッチは、次に紹介するストレッチとセットで交互に行うとより効果が高まります。どちらも肩甲骨を中心に胴体を動かすストレッチなので、セットで覚えて実践してみてください。

肩甲骨を中心に胴体を動かすストレッチ③

①手を肩より後ろに引く(肩甲骨同士をくっつけるイメージ)
②背筋を伸ばす
③お腹を前に出す
④この状態を維持しながらゆっくりふた呼吸

効果

肩こりの原因となる筋肉をほぐします。
肩甲骨は骨盤と同じく身体の要ですので、肩甲骨の動きが良くなると、身体全体の動きが良くなります。

お尻に効くストレッチ④

①足を組む
②組んだ状態で身体を前に倒す
③お尻が引っ張られているのを感じたら状態を維持しながらゆっくりふた呼吸
④左右を変えて同様のストレッチを行う

応用編

①左膝に右足首の外側をのせる
②左手と右手で右足首付近を持って身体を前に倒す
③お尻が引っ張られているのを感じたら状態を維持しながらゆっくりふた呼吸
④左右を変えて同様のストレッチを行う

効果

腰痛の原因となる筋肉に効くストレッチです。骨盤周りの筋肉をほぐして骨盤の動きを改善します。とくにお尻のコリに効きますが、応用編は痛みも出やすいので注意が必要です。

下半身のストレッチ⑤

①左足を前に出す
②左足を伸ばしてつま先を持ち上げる
③左手を太もも、ふくらはぎと滑らせていけるところまでいく
④左足がピーンと張っているのを感じる状態を維持しながらゆっくりふた呼吸
⑤左右を変えて同様のストレッチを行う

効果

腰痛の原因となる筋肉に効くストレッチです。骨盤周りの筋肉をほぐして骨盤の動きを改善します。

ストレッチはいつやるのがいい?

仕事をしている方であれば、仕事の合間。ちょっとしたスキマ時間に行うのがおすすめです。デスクワークが長く続くと、身体はどんどん悪い方向に向かっていくので、リセットするという意味で気になったときに行ってみてください。
高齢者であれば朝と夕方など。身体を動かすと脳も動くので、1日の活動を準備するという意味では、特に朝がおすすめです。

まとめ

今回は、仕事の合間にもできる簡単なストレッチを教えてもらいました。これを機会に習慣化できるように毎日行ってみてください。また、ストレッチに慣れたら運動を行うことも、老いないためには大切です。コロナ禍で家にいることが多い今だからこそ、ストレッチから健康を意識してみるのはいかがでしょうか。 また、ご自身だけでなく、ご家族やご両親にもストレッチをすすめてみてください。