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ソナーレ・アテリア久我山の
スタッフブログ
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お散歩日和 ~その方らしくお過ごしいただくために~

皆様、こんにちは。ライフマネージャー兼ナースチーフの松木です。
秋の気配が色濃くなり、心地よい秋晴れが続くころとなりました。

今回は、あるご入居間もない方が、小さな関わりからホームでの生活に楽しみを見出し、
これからの暮らしに希望を持たれたケースをご紹介いたします。

ご入居者のS様は、先月末にご入居されたばかり。
まだ、ホームでの生活に慣れていらっしゃらず、ご自宅のことをとても気にされています。
「早く家に帰らなきゃ。家ではやることがたくさんあるのよ」
「こんなところ連れてこられて、困っちゃった」
と、落ち着かないご様子で、時間があればお部屋の中や館内を歩かれていました。

ある日S様から
「この近所に妹が住んでいるから、行ってこようと思うの」
とのご希望がありました。そこで
「おひとりではご心配でしょうから、ご一緒しますね」
と、お供させていただくことに。

S様にとって久しぶりの外出となったため、
「建物の中を歩くのと、こうして風にあたりながら外を歩くのとでは、感覚が全然違うのね」
と、最初は緊張した面持ちでした。

お散歩を続けるうちに
「妹の家はこんな街並みじゃなかったわ…」
と記憶を辿っていらっしゃいます。どうやら一時的な混乱があったようです。

しばらく住宅街を歩きながら、ご自宅でのご様子や日課、生活習慣などについて、いろいろとお話をお伺いしました。
「家にいるころは、近所のスーパーに買い物に行って、荷物を持って帰って来られたのに、今は歩くのが精一杯だわ。体力つけないと買い物も行けないわね」
いつの間にか『家に帰りたい』というお言葉が出なくなり、にこやかな表情に変化していました。
わずかな時間でしたが、外気に触れながらお散歩することが気分転換となり、情緒の安定が図れたようでした。

慣れ親しんできたご自宅から新しい環境に慣れるまでは、どなたでも不安や戸惑いはあるものです。
特にご高齢者の場合、長年習慣としてきたことを急に変えることは、環境の変化と共に大きなストレスとなります。
私たちはそのような状況下においても、ご本人のお気持ちに寄り添いながら少しずつ信頼関係を築き、安心してその方らしくお過ごしいただけるようサポートしています。

この日、S様がホームに戻られた際、
「お散歩、また一緒に行ってもらえる?久しぶりに外を歩いたけど、とっても気持ちがよかったわ」
と、お見せくださった清々しい笑顔は、何よりも私を勇気づけてくださいました。

S様らしい生活の実現に向けた取り組みは、まだ始まったばかり。
これから、もっと、もっとS様と関わりを持ち、多くのスタッフでアイデアを出し合いながら、生活のなかにひとつでも多くの楽しみを見出し、毎日をいきいきとお過ごしいただけるよう尽力してまいります。