2025/03/01
今を生きる ~限りある時間を有効に~
梅が咲き、メジロが飛び交う季節になりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
作業療法士のOです。
今回は、あるご入居者の、充実した毎日の過ごし方をご紹介いたします。
Y様は昭和6年生まれ。2年前に当ホームに入居されました。
会社員時代に合唱団に入られ、ステージでオペラなどを歌っていたご経験をお持ちです。
最近は「また歌えるようになりたい」「発声練習が大事なんですよ」と、毎朝、機能訓練室で発声と歌の練習をされています。
はじめのうちは、思うように声が出しにくいご様子でしたが、あきらめず、立位で姿勢を意識したり、歩行訓練やバイク運動で体力作りを行ったりと、毎日努力を重ねられました。
その甲斐あって、今ではビブラートのかかった伸びやかな歌声が1階のフロア全体に響き渡っています。
「誰が歌っているの?」「また聞きたいわ」
リハビリに来られたほかのご入居者の方々も興味深々。ステキなお声の主を探していらっしゃいます。


日中は、何やら難しい本を熱心に読まれ、世の中のことやこれからの介護のことなどをスタッフに教えてくださいます。
「今は寿命が100歳以上と延びていく時代。この時間をできるだけ有効に使いたいんですよ。それで何か世の中の役に立てるなら幸せですね」
多くの経験を重ねてこられた方ならではのお言葉。重みを感じずにはいられません。

Y様のお部屋には、書籍もたくさんありますが、パソコンも使いこなされ「世の中のためになることを残したい」「世の中から求められているものをテーマに執筆もしていきたい」と、話されています。

そのようなY様の楽しみは、ご家族との外食や気の合う方とのコーヒータイム。
また、天気の良い日はテラスで日光浴をされています。
「人生を振り返ったときにね、自分はこんなに努力したんだ、と喜びを感じたいんですよ」
いつもおしゃれでダンディなY様が、これからもご自身らしい人生を謳歌されるよう、陰ながらサポートしてまいります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
