2025/03/14
春の梅園にて
寒暖差の激しい3月となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。
いつもブログをご覧いただきありがとうございます。作業療法士のOです。
先日、歩行訓練や外気浴を兼ねて、ご入居者を近隣の梅園にご案内しました。
園内では、紅白の花々が一面に咲き誇り、ちょうど見ごろを迎えていました。
散策途中で、枝垂梅がほころんでいるのを見かけたご入居者。
枝がしなやかに垂れ下がり、薄いピンク色の花びらが、舞を踊るかのように優雅に風に揺れていました。
「わぁ、綺麗ねぇ。いい香り」
と、そっと花びらに触れられました。
柔らかで、はかなげな感触に、まだ春浅いことを感じ取っていらっしゃるようでした。

「腰が痛いからどうしようかと思ったけど、やっぱり連れてきてもらってよかったわ」
「まさかこんなところが近くにあったなんて…」
と、穏やかな笑顔をお見せくださいました。
自然の美しさに触れることで心が癒され、痛みも和らいだご様子でした。
よい気分転換になられたようで、思わず私もうれしくなりました。

「お天気が良くて気持ちいいねぇ。しばらくここに居たいわ」
青空と梅の花のコントラストの美しさ、漂う甘い香り、柔らかな花びらの感触、小鳥のさえずり…。
ご入居者は五感で春を感じ、その魅力に心奪われてしまわれたようでした。
お散歩に来ていた親子やご近所の方との交流も楽しまれ、充実したひと時を過ごされました。
梅の木にとまったメジロ。
小さな身体を軽やかに動かしながら、花の蜜を求めて忙しそうにさえずっています。
その可愛らしい声が、春の訪れを一層感じさせてくれました。

当ホーム周辺には、梅園のほか、花と緑の公園、銀杏や桜並木など、自然豊かな環境が整っています。
暖かくなるこれから。
積極的に外出にお誘いし、季節の移ろいを肌で感じていただける機会を増やして、ご入居者の皆さまの心身の健康づくりに役立てていきたいと思っています。

道端で、ニョキニョキと顔を出していたつくし。
小さな生命の息吹に、思わず微笑んでしまいました。