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ソナーレ駒沢公園の
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コラム

2024/09/02

おやすみ、ハイビスカス

こんにちは。ホーム長の三輪です。

初夏から秋口まで、長い間ホームの中庭を彩ってくれるハイビスカス。
今年も、美しく咲き誇っています。
お庭に出て、あるいはビューティールームの窓から眺めて、その鮮やかな色合いに、皆様はうっとりとされます。

私は、散水するようになってから知ったのですが、ハイビスカスは一日花(いちにちばな)であり、朝咲いて夜には萎みます。
当ホームのハイビスカスは少し寝坊助なところがあって、スタッフがきびきびと朝食の支度をしているときは、まだ花弁をとじていてゆったりした朝を過ごし、皆様が朝食を済ませたころに、ようやく起き出して花を咲かせ、皆様にご挨拶をするといった風。
どこかマイペースで、微笑ましくもあります。
「お花が咲いた!」と、幾人かのご入居者が連れだって、ハイビスカスを眺めにこられる場面もあります。

華やかなハイビスカスに目を向けていると、周辺にも様々な生き物が息づいているのが分かります。
さっと小さなトカゲが飛び出したり、モンシロチョウの羽化、シオカラ蜻蛉の飛来…。
急いでいると、つい見落としてしまいそうな多様な生命が満ちあふれています。

今月は『敬老会』が予定されており、近隣の保育園の園児の皆さんが遊びにきてくださいます。
皆様とご一緒に、小さな生命を探したり、新たな草花や野菜を植えたりできればと、お庭にお誘いしようと思っています。
静かな静かな中庭の、いのちの活気に触れられる機会を、より増やしてまいりたいと存じます。

ところで、私は草花の散水を日課にしていますが、気掛りであったのは、水しぶきがホームの窓ガラスにかかって跡を残してしまうことでした。
ところが、その後も窓ガラスはきれいに透明であることに気が付きました。
果たしてそれは、あるクリーンスタッフが丁寧に拭き取ってくれているのでした。
申し訳ない気持ちとともに、目立つことない場面でも一生懸命に働くスタッフの働きぶりに清々しい尊敬の念を覚えました。

クリーンスタッフのみならず、ケアスタッフもナーススタッフも、事務スタッフも、一日を懸命に働く姿は、私にはとても恰好のいいものに映ります。
私は、日中しっかり働いたスタッフたちが、充実した表情と声で「おつかれさまでした!」と退勤する時間が、特に好ましく思えます。
日が傾き、夕食の配膳がはじまるころに、ハイビスカスもまた、一日の務めを終えて満足したように柔らかな花弁に包まります。 その様子に、私は親しみを覚え、ふと
「お疲れ様でした。おやすみ」
と、声をかけたくなります。