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ソナーレ駒沢公園の
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コラム

2024/12/21

"Venus"(ヴィーナス)に乾杯!

こんにちは、ホーム長の三輪です。

先日のご夕食後、あるご入居者がホームの廊下の窓から、夕暮れの空を眺めていらっしゃいました。
そのご様子を気に留めたスタッフがお声かけをしたところ、「この時期は、夕方西の空に輝く金星がきれいにみえるので、眺めていたんだ」とのことでした。
なるほど、確かに。
西の空に、一番星が輝いて見えました。

星空観賞。
このところは、朝夕の冷え込みがひときわ厳しくなってきてはいますが、凛と澄み切った冬の夜空だからこそ感じられる星の美しさもあるのではないか―。
そう考えたスタッフは、窓越しではなく屋上テラスから、広い夜空を眺めてみてはいかがかと、ご提案してみました。するとこのご入居者はとても喜ばれ、即決となりました。
この企画を耳にされたほかの皆様も、ぜひ私も、私も、と多くの方々がこぞって参加を希望されてきました。

そこで、スタッフたちは防寒対策に奔走。
ベンチに温かいシートを敷き、ブランケットや外套を準備。
お身体を内側からも温めていただこうと、ココアやホットワインもご用意しました。
さらには、夜ならではのムーディーな演出もしたいと、キャンドルを灯す熱の入れよう…。
ご入居に楽しんでいただこうと、豊かな発想を次々と生み出すスタッフたちには、頭が下がる思いです。

金星は、明け方に東の空に見えるときは「明けの明星」、反対に日が沈むころに西の空に見える時は「宵の明星」と呼ばれ、これは日本独自の呼び名なのだそうです。
対して英名ではビーナスと呼ばれています。
これは、愛と美の女神“Venus”に由来しています。 金星がこのように名付けられたのは、天空で最も明るく輝く惑星だったから。
神秘的に輝く美しさは古代より人々を魅了し、世界各国で女性名がつけられることが多かったようです。
その明るさはおよそ1等星の100倍もあるため、夕暮れの西の空に見えるときは強く印象的な光を放ちます。これはぜひ、観賞しなければ!

皆さまは期待感を高めながら早めの夕食を済ませ、厚手の外套を身にまとって、いざ屋上へ。せっかくなので、私もご一緒させていただきました。
ブルーオレンジのグラデーションに染まる空に、その星はひときわ明るく輝いていました。
ご入居者もスタッフも、しばしその美しさにうっとり…。
人の儚い人生など比ぶべくもない、悠久の時のなかを輝き続けてきたこの星に、本物の女神を目の当たりにしたような、そんな甘美な出会いを愉しみました。

煌々と輝く満月のほかは、ホームの屋上を完全なる闇が占めたころ、キャンドルに火を灯し、その揺らぎを見つめます。
金星に誘われるように現れたシリウスなどの煌めく星たちを、私たちは飽くことなく眺めました。

湯気立つココアのカップを皆さまが両手で覆うその姿は、冬ならではの、どこかほっこりと心温まる情景でした。
ホットワインをご用意したのはこれが初めてでしたが、皆さまはとてもお気に召されたご様子でした。
金星に向けてワインを傾け、その美しさに酔う―。

とてもリュクスな夜のひとときとなりました。