2024/04/19
夢のような出来事 ~東京二期会オペラコンサート~
皆様、こんにちは。ホーム長の三輪です。
世の中には、歳を重ねてもいつまでも驚くほど若々しい感性をお持ちの方がいらっしゃいます。
それは、固定概念にとらわれず、美しいものを素直に美しいと感じ、楽しい時間を心ゆくまで楽しみ、知的好奇心とチャレンジ精神を持ち続ける…。
そうしたことで美意識を高め、感性を磨き続けてきた結果だと思います。
幾多の感動、本物との出逢いを重ね、豊かな知性を蓄えていらした当ホームのご入居者は、まさにこのような方々がお揃いです。
そうした皆様にふさわしいイベントとして、このたび公益財団法人東京二期会所属の皆さんをお招きし、本格的なオペラコンサートを開催いたしました。
今回のブログでは、その模様をお伝えいたします。
コンサートの企画をお知らせすると、オペラに長く親しんでこられた方は、まさかホームで本格的なオペラ鑑賞が叶うなんて、と大変驚かれていましたし、たまたまご縁のなかった方も、絶好のチャンスとばかりに大きな期待を寄せていらっしゃいました。
せっかくの機会ですので、ご家族や近隣にお住いの皆様もお誘いいたしました。
いよいよコンサート当日。
皆様は、朝から何となく落ち着かないご様子で、開演を心待ちにされているお気持ちがひしひしと伝わってきました。
はじめに、演者からオペラ文化の背景や作品の紹介、それぞれの楽曲への想いなど、貴重なお話が披露されました。
ご入居者をはじめ観客の皆様は、一言一句聞き逃すまいと真剣に聴き入っていらっしゃいました。
演目は、オペラの代表曲がズラリと並び、聴きごたえたっぷりです。
客席からの拍手が鳴りやみ、一瞬の静寂ののち、低くて深みのあるバリトンボイスがあたりの空気を振るわせ始めました。
コンサート開幕です!
続いて、透き通るようなソプラノの歌声が華やかな魅力を放ち、心が浄化されていくような感動が押し寄せました。
華やかな装いと相まって、皆様は豊穣な音楽の世界にどんどんと引き込まれて行かれました。
圧倒的な声量、変幻自在な声色、ダイナミックかつ繊細な感情表現…。
どれをとっても、芸術そのもの。
心奪われたように見とれる方、五感を研ぎ澄ませて歌の魅力を味わおうとされる方、目を瞑って音楽の世界に没入される方など、思い思いの愉しみ方でオペラの世界観を堪能されていました。
曲の合間では、熱烈な拍手とともに「ブラーヴォ(Bravo)!」とお声がかかり、ここが東京の、目黒の、老人ホームで起こっているとは信じがたい光景が広がりました。
演者の方々と観客の皆様が一体化し、まるで本場の劇場で鑑賞しているかのような臨場感を生み出したのです。
最後は得もいえぬ深い感動に包まれ、皆様の笑顔から発せられたキラキラとした輝きが会場いっぱいにあふれました。
終演後、演者の皆さんの前には、興奮冷めやらぬ表情を浮かべた皆様が長蛇の列をなしました。
演者の方の手を握り、言葉を交わし、一緒に写真に納まることで、つい先ほどまで目の前で繰り広げられていた芸術を、確かなものとして心にとめておきたい。皆様のそのようなお気持ちが手に取るように感じ取れました。
あるご入居者は、記念撮影を終えたあと、満面の笑みを浮かべながらこうおっしゃいました。
「まるで夢のような時間でした。最高よ!今もうっとり…。今日は本当に幸せよ!」
大盛況につき、次回は5月の開催を予定しております。
その際はぜひ、夜の公演といたしましょう。コンサートの感激をそのままに、美しく幸せな夢の世界へといざなえますように…。