皆様、こんにちは。
ソナーレ駒沢公園で作業療法士をしております、吉田です。
本日は『散歩を効果的に行うコツ』についてお話します。
皆様は、健康維持のためにどんなことをされているでしょうか?
おそらく『散歩』と答えられる方が、少なからずいらっしゃるとおもいます。
散歩は体操と並び、気軽にできる健康維持法のツートップ、将棋でいう飛車角のような存在といえるでしょう。
私たちは普段から何げなく歩いていますが、実はしっかりとした筋力と、からだを正確にコントロールできる能力が伴わなければ歩くことはできません。
病院のリハビリでも歩行を重視しますが、それは治療効果がとても高いためです。
前置きが長くなりましたが、散歩(=歩行)は間違いなく健康維持に効果のある活動です。
さて、そんな散歩にも体を効果的に使うコツがあるのをご存じでしょうか?
今回はそんなコツをいくつかご紹介します。
1.歩き方を少し変えてみる
何気なく歩いている状態では、人間のからだはエネルギーをできるだけ使わないよう効率化を図っています。
ですが、少しスピードを上げて歩くだけで、体をよりたくさん使うことができます。
普段より大きなバランスの変化や周囲の環境に対応するため、身体機能に加えて注意力や集中力といった精神機能も高まるためです。
しかし、ただ歩くスピードだけを上げると、バランスが崩れやすくなります。
あくまで「普段と同じ姿勢で歩ける範囲のスピード」を前提としてください。
また、以下の写真のような姿勢にならないように注意しましょう。
手や上半身が先に行こうとするあまり、肝心の足がついてきていません。
これでは疲れてしまうだけでなく、転倒のリスクも高まってしまいます。
バランスを崩さずに歩くスピードを上げるコツは以下の3つをお勧めします。
①前を見る
②手は(前だけでなく)後ろにも振る
③踵から足を着地させる
これらを少し意識するだけで、自然と体を起こし、歩幅を大きくすることができます。
胸を張ったり、膝を高く上げたりする必要はありません。
力を抜いてリズムよく歩くことを意識して下さい。
2.散歩のコースを少し変えてみる
整地された平坦な道は、とても歩きやすいものです。
「歩きやすい道をしっかり歩く」というのも効果的な散歩ですが、歩くのが少し大変な道を選ぶことで、より多くからだを使うことができます。
お勧めするのは、傾斜や階段のある道です。
こういった道を歩くには、自身の体重を平行に移動させるだけではなく、重力に抗してからだを上方に持ち上げる、あるいは下方に落ちるスピードを抑制するといった、より強いからだの動きを必要とします。
自然とからだも鍛えられることでしょう。
日本は傾斜や階段の多い国だと思います。
静謐な神社、由緒あるお寺、自然や街並みが見わたせる坂道。
たくさんの素敵な道を、素敵な歩き方で散歩をしてみてはいかがでしょうか。
さいごに大事なご注意です。
ご自身の機能に合わない歩き方をすると、転倒などのリスクが高まるだけでなく、効果すらも半減してしまいます。
歩くスピードや距離、時間はもちろん、普段よりお使いであれば、杖や歩行器などの補助具も使い、決して無理はしないでください。
いかがでしたでしょうか?
普段何気なく行っている散歩も、多くの方はちょっとしたコツで、もっともっと効果的に行うことが出来ます。
ぜひ、試していただけると幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回も、ご期待ください!