ソナーレ石神井の
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コラム

2024/07/20

いのちの連鎖

こんにちは。ホーム長の林です。
今年は例年より早く梅雨明けし、連日のこの猛暑!
早くも暑さに参っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これから当面この暑さが続くかと思うと、いささか憂鬱な気持ちになりますね。

さて、今回のブログは少し趣向を変えて、私のお話をさせていただければと思います。
写真はございませんが、ご容赦ください。

私がこの世界で仕事を始めて、今年で24年目となりました。
その中でも特に印象に残っているエピソードのひとつをご紹介いたします。

まだ私が20代の頃の話です。
当時働いていた有料老人ホームのご入居者に、I様という方がいらっしゃいました。
I様は、今の台湾で裕福な家庭にお生まれになりました。
しかし、世の中は戦争に突入し、I様もこの戦争でご主人を亡くされました。
終戦後、まだ小さかった二人の娘様を抱えて、いのちからがら日本に帰ってこられたそうです。
帰国されてからも日本全体が非常に貧しい中、女手ひとつで、二人の娘様を育てられたとのことで、物静かな中にも凛とした一本筋の通った、とても素敵な方でした。
ある日—。
ちょうどその日はI様の誕生日でした。
I様のお誕生祝いにと、娘様を始めお孫様、ひ孫様が続々とホームに訪れました。
その数なんと20名近く!
私がお部屋に伺うと、多くのご親族が密集するお部屋の真ん中で、ケーキのろうそくを吹き消すI様がいらっしゃいました。
その誇らしげな表情を、私は今でも忘れられません。
ここにいらっしゃる20名近くの方々は皆、I様の存在なくして、この世に誕生し得なかったいのちです。
もちろんI様に限ったことでありませんが、私はI様を通じて、改めていのちの連鎖を感じ、またそのような人生の一つひとつに深く関われることに、とても感銘を受けました。

あの経験からもう20年近くが経ちましたが、私はあの時に感じた感銘を今でも忘れていませんし、この仕事を続けられている理由のひとつだと感じています。
これからも多くの方の人生に深く関われることに感謝し、生涯この仕事を続けてまいりたいと思っています。

次回もお楽しみに!