ソナーレ石神井の
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鈴虫が奏でる季節の調べ

皆様、こんにちは。
連日の猛暑に見舞われておりますが、お健やかにお過ごしでしょうか。

さて、当ホームでは今夏も“新たな住人”(?)を迎えています。
そうです、鈴虫たち。
ホーム1階のエレベーターホールに、小さな住まいを設けました。

耳を澄ませるとリーン、リーンと、まさに鈴のような心地よい鳴き声が館内に響きわたり、皆様の耳を楽しませてくれています。
「あら、鈴虫。風流ね」
「懐かしいね。昔、家で飼っていたよ」
「秋の訪れを感じますね…」
皆様は、虫かごの前で足をとめられ、鈴虫にまつわる思い出話に花を咲かせていらっしゃいました。

帰省シーズンで、ホームにも多くのご家族がいらっしゃいましたが、お孫様やひ孫様の中には鈴虫を見るのが初めてという方もいらして、ご入居者と一緒にじっくりと観察したり、美しい鳴き声に聴き入ったりするお姿が散見されました。

鈴虫の鳴き声は、日本人の感性に深く結びついています。
遡れば、はるか昔の平安時代。虫の鳴き声を楽しむことが貴族の間で風流な遊びとして流行したそうです。
清少納言の『枕草子』、「虫は」という章では、
「虫は鈴虫。ひぐらし。蝶。松虫。きりぎりす。はたおり」
と、趣深く鳴く虫のひとつとして、鈴虫があげられています。

虫たちの鳴き声に心が落ち着き、癒されるのは、現代を生きる私たちも変わりません。一方、欧米人は虫の声に馴染みが少なく、声を聴き分けたり、その美しさや季節を堪能することなどは少ないそうです。
豊かな自然環境や美しい四季の変化のなかで育まれた日本人独自の感性として、いつまでも大切にしていきたいものですね。

まだまだ厳しい残暑が続きますが、ご入居者の皆様には、鈴虫の声で一足早く秋の気配をお届けし、日々の暮らしを情緒豊かにお過ごしいただいております。

次回もお楽しみに!