2024/10/19
"Life Focus" を形にする取り組み ~一杯の珈琲が導く、その方らしい暮らし~
皆さま、こんにちは。ライフマネージャーの内田です。
10月に入り、少しずつ秋の気配を感じるようになってきましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか?
今回ご紹介する"Life Focus"(LF)の取り組みは、一杯の珈琲に宿る、あるご入居者の人生の軌跡を紐解き、その方らしい暮らしの実現につなげる契機としたケースです。
ご入居者のU様は、大の珈琲党。
現役時代、忙しいお仕事の合間によく珈琲を召し上がっていたとのことで、産地や豆にも拘りをお持ちです。
そのようなU様に、ご入居後も日々の暮らしの楽しみとして、こだわりの珈琲をお楽しみいただきたい。
そう考えたU様のPA(パーソナルアシスタント:ご入居者個別担当)であるTスタッフは、早速、ホーム近隣の珈琲専門店について調査を開始。
そして、SNSやメディアなどで評判の高い『常盤珈琲焙煎所』を見つけ出しました。
U様にご提案したところ、「よし、じゃその店に行ってみよう!」と、即答。
そのままご案内する流れとなりました。
訪れたお店はこじんまりとしていながらも、豆を焙煎する香りがお店の外まで漂うほどで、珈琲党の心を躍らせました。
一歩店内に入ると、世界各国から厳選したスペシャルティコーヒーの生豆がズラリ!『専門店』の名に恥じない品揃えです。
これなら珈琲通のU様のお眼鏡にかなう豆がきっと見つかるはず…と、チラリとU様の方に目をやると、既に瞳を輝かせながら、一つひとつの商品札をじっくりご覧になっていました。
「たくさんの種類の珈琲豆があって、選ぶのに困るね。少し考えさせてください」
とのこと。
じっくりと吟味した結果、深煎りで有名なグアテマラ産の珈琲豆を選ばれました。
煎りたて、挽きたて、そして淹れたての珈琲をひと口召し上がり、
「本当にいい味だね…」
と、感慨深い表情でおっしゃいました。
鼻に抜ける豊かな香りに、現役時代の記憶が呼び覚まされたご様子で、
「仕事の合間に一服して、ほっとしたのを思い出したよ…」
と、ポツリ。
それから私たちに、ご苦労された様々な経験を熱く語ってくださいました。
「今の時代では考えられないだろうね。でも昭和の時代はそれが普通だったんだよ…」と。
陽が傾きかけた帰りの道すがら
「今日は本当にありがとう。おかげで懐かしい思い出が、つい昨日のことのように蘇ってきたよ」
と、感謝のお言葉をくださいました。
一杯の珈琲が、ご本人が築いてこられた人生の新たな一面を知ることにつながった今回の取り組み。
それはまだ、ほんの一部にすぎませんが、これからもLF活動を継続していくことでU様に対する理解を深め、ご本人らしい暮らしの実現につなげていきたいと考えています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回もお楽しみにおまちください!