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ソナーレ浦和の
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良質な睡眠とアクティビティ vol.1 ~作業療法士によるナイトヨガ~

みなさま、こんにちは。
ライフマネージャーの宮本です。

一般的な老人ホームでは、夕食後から就寝までの夜間帯にアクティビティを行うことは、あまりありません。
なぜなら、アクティビティに参加することで、心身が興奮状態となり、リラックスして眠りにつくことが難しくなるからです。
こうなると、十分な睡眠時間の確保が困難となったり、眠りが浅くなったりして、翌日の疲労感や集中力の低下につながることがあります。当然、健康への影響も懸念されます。
このため、夕食後はお部屋で早めにお休みの準備に入っていただくことが通例となっているのです。
しかし、ソナーレ浦和では、あえて就寝前にナイトアクティビティを実施し、夜間の良質な睡眠につなげています。
では、それはいったい、どのような内容なのでしょうか。
今回は、当ホームのS作業療法士(以下OT)が実践するナイトアクティビティをとおして、当ホームの『スリープマネジメント』の取り組みをご紹介いたします。

「夕飯が終わって、夜7時半くらいに部屋に帰ると、もう寝るしかなくてね…」
「でも、早く寝ると夜中に目が覚めてしまうことがあるのよね」
「一回目が覚めると、ウトウトを繰り返したりして、なかなか寝付けなくって…」
こうしたご入居者の声にお応えしようと、OTは徹底的に“眠り”にこだわったナイトアクティビティを実践しています。
題して『ナイトヨガ』。
呼吸法を活用して身体をリラックスさせることで、心を落ち着かせる効果のあるヨガ。
これを就寝前に行うとで、夜間の良質な睡眠につながることが期待できます。
また、ヨガは身体の柔軟性を高めるだけでなく、筋力やバランスも向上させるため、寝返りの回数が減って、寝つきもよくなるというわけです。

では、実際の様子をご覧に入れましょう。
こちらが、今夜ヨガが開催される会場です。
環境づくりにもこだわり、照度を落とした間接照明で、温かさと安らぎを演出しています。

さらにラベンダーやローズゼラニウム、ベルガモットなどのアロマオイルを焚いたり、ゆったりとしたBGMを流したりと、五感に働きかけることでリラックス効果を高めます。

まずは、先生からのナレーションと簡単なメニューからプログラムがスタート。
「先生の声が、また落ち着く声でね。それも眠くなっちゃう理由かしらね」
とのこと。声のトーンや語り口調にもこだわっているようです。

準備運動が終わると、続いてヨガストレッチ。
椅子に座ったままでもできる、三角のポーズや月のポーズをとっていきます。
胸を開いて呼吸を楽にしやすいもの、背中をまっすぐにして内臓への負担を軽減するものなど、毎回プログラムの内容も変えて、参加する楽しみやモチベーションの向上にも努めています。

「毎回、結構疲れるけど、身体がスッキリするの」
「かなり本格的で楽しい。先生のヨガをきっかけに自分でもヨガの勉強を始めたのよ」
なるほど、そのお言葉のとおり、スタッフが参加してもかなりの疲労感が残るほど本格的です。

ひととおりのメニューが終わると、最後は瞑想の時間です。
心と身体を落ち着かせる5分間。
一日の締めくくりとして、睡眠への導入を行っていきます。
ヨガの疲れからか、あるいはその場の雰囲気からか、終わるころにはウトウトされている方もちらほらと拝見されました。

さて、この効果はどれほどのものなのか。
当ホームが推進するDX(デジタルトランスフォーメーション)技術の活用例とあわせてご紹介します。

ソナーレ浦和では、全居室にセンシングシステム「ライフリズムナビ®+Dr.」を導入し、お部屋の温度・湿度をはじめ、人感センサーがご入居者の活動状況や夜間の睡眠状態をセンシングしています。
私たちは、これら蓄積されたデータから睡眠サイクルを把握し、スリープマネージメントに取り組んでいます。
一日の活動やリズムを把握することで、睡眠の改善に必要な個別の要因をピックアップしているのです。

一例として、ご入居者のT様のケースをみていきましょう。
ヨガに参加される日と、そうでない日のデータを比較してみると…。
「夜中に起きたときは、毎回トイレに行っちゃうのよ。そこから目が覚めて、寝られなくなってしまうこともあるのよね。これがヨガの日はどうなっているのか少し楽しみね」
と、T様。
普段、それほど寝不足は感じていない、とはおっしゃるものの、データをみると夜間に3~4回トイレに起きられており、睡眠が途切れ途切れであることがわかりました。

これが、毎回のヨガに欠かさず参加されるようになると…。
「ヨガに参加した日はトイレに起きることがほとんどないのよね」
と、ご本人も実感されているとおり、結果は一目瞭然!
データ上でも、ヨガ当日は継続的な睡眠ができている日が多いことが立証されました。
「たしかに!先生のヨガの日はよく眠れる、と思っていたけど本当にあまり起きていないわね」
ご本人もデータをご覧になって納得されていました。
ヨガのポーズをとることで、心身がリラックス状態となり、副交感神経を優位にする効果が得られたようです。
また、終了時に行う瞑想は、心の安定やストレスの緩和に役立ち、深い眠りへとつながったようです。

このように、当ホームではナイトアクティビティをとおして、睡眠の質の向上に取り組んでいます。
ナイトヨガのほかにも、カードゲームをしながら談笑したり、ヒーリングミュージックを聞きながらのんびり過ごしたり、足湯やハンドセラピーで癒されたり…。
身心を満たす多彩なプログラムをご提案しています。

ご入居者の健やかな暮らしの実現に向けて、私たちのチャレンジはまだまだ続きます。 ソナーレ浦和が展開する「スリープマネジメント」の今後にも、どうぞご期待ください!

次回もお楽しみに。