皆さん、こんにちは。
"Life Focus"を形にするための取り組みをご紹介するこのシリーズ。
今回は、"Life Focus"の日における、趣味活動を通したご入居者とスタッフのこころのふれあいをご紹介いたします。
ご入居者のI様は今年で御年89歳。ソナーレ浜田山での暮らしにもすっかりなじまれ、日々を穏やかに過ごされています。
ある日のこと、I様との何気ない会話の中で、以前会社勤めをされていた時に、職場のお仲間と一緒にお茶を嗜まれていた、というお話を伺いました。
「これはぜひ、ソナーレでの生活の楽しみのひとつとして復活させたい!」
そう感じた担当PA(パーソナルアシスタント:ご入居者個別担当スタッフ )は、早速ご家族に連絡し、お抹茶と茶道具のご用意をお願いしました。もちろん、お茶会と言えば主菓子。甘いものが大好きなI様に「お点前をご披露いただき、お好みの主菓子とともにゆったりとお茶の時間を楽しんでいただく」というプランを立て、実行することとしました。
さて、いよいよ"Life Focus"当日。
静かな屋上ラウンジにお茶席をしつらえ、PAと二人だけのお茶会が始まりました。「久しぶりだから、上手にできるかしらねぇ。」とおっしゃるI様のお言葉とは裏腹に、流れるような手つきでお茶を点てていかれます。
シャカシャカシャカ...。
静寂の中、茶筅の動く音だけが響きます。
「にぎやかなのも好きだけど、たまにはこういう静かな時間もいいわね。」
傍らでお点前を拝見していたスタッフも、ふと、非日常的なこころの落ち着きを感じます。
そして、一服。
お抹茶特有の深い甘みと香りに、こころがほぐれます。
ゆったりとした時間が流れるなかで、I様は、いろいろなお話を聞かせてくださいました。
戦時中にご苦労されたこと、お若いころは登山がご趣味で全国の山々に登ったこと、ご兄弟と夢中になった遊びのことなどなど...、身振り手振りを交えながら、想い出話を弾ませていらっしゃいました。
最後は、PAとの記念撮影♪
『和敬清寂』とは、「互いに敬い、こころを開き一体化する」というお茶の心得を表す言葉だそうですが、まさに今日のお茶会はこの言葉どおり。I様とPAのこころの距離を近づける、大変良い機会となりました。
ご入居者に対する個別の理解が深まれば深まるほど、担当PAの中でその方は、いとおしくかけがいのない存在となっていきます。そして、その方のこれまでの人生に基づいた、その方らしい暮らしを私たちのホームで実現していきたい、という想いを募らせます。
これが、私たちの"Life Focus"への取り組みの原動力となっているのです。
「I様、次回もまた、お茶の時間をご一緒させてくださいね。そして、楽しいお話をたくさんお聞かせください。近所で評判の主菓子、ご用意しておきますからね!」
そうお声掛けするPAの瞳は、次なるチャレンジに向けてキラキラと輝きを増しているようでした。
次回もお楽しみに!