2024/12/02
考古学の浪漫、ふたたび
こんにちは、ケアサブチーフのSです。
吐く息は白くなり、朝夕の冷え込みが身に染みる季節となってまいりました。
今回は、以前のブログ(眼前に広がるは、浪漫)でご紹介した、考古学に造詣の深いご入居者を、再び『知的好奇心を満たすツアー』へとご案内したもようをお伝えいたします。
この日訪れたのは、「埴輪 挂甲の武人」の国宝指定50周年を記念して東京・上野にある東京国立博物館で開催中の特別展『はにわ』。
全国各地から約120件の選りすぐりの至宝が壮大な規模で集結するとあって、開催前から大きな話題を呼んでいました。
これはきっと、“あの方”はご興味があるはず!
そう思った私は、ご本人に展示会の内容を説明し、博物館でのご観覧を提案しました。
するとご入居者はみるみる瞳を輝かせ、「ぜひ行きたいです!行かせてください!」と、ご快諾。
そこで、早速娘様にもご相談し、日程を調整しました。
迎えた当日。
意気軒昂とお越しになったご入居者。
早速、展示物を一つひとつじっくりと鑑賞され、
「これを掘り起こしたときの喜びは、いかほどのものだったでしょう!」
「頭から足先まで鎧を着込んでいる埴輪なんて初めて見た!とても精巧に作られていて驚きです」
「埴輪の表情がとても豊かで、何か語り掛けてくるようだわ…」
などと、古代ロマンに想いを馳せていらっしゃいました。
館内は大変広く、人気展だけあって大変な人出で、さぞかしお疲れになるのではと案じておりましたが、ご本人はひととおり見終わったあとも「興奮冷めやらぬ」といったご様子で、熱く感動を語り続けるお姿に、それは全くの稀有であったことを悟りました。
退館後、本館前のユリノキの大木の下でひと休み。
すっかり黄葉がすすみ、青空とのコントラストが見事でした。
「今日の日の記念に」と、黄色く色づいた落ち葉を何枚か拾い上げ、お土産としました。
その後、上野恩賜公園内を散策。
当日は小春日和に恵まれたため、噴水広場でご昼食を召し上がりました。
空は青く澄み渡り、ひだまりはポカポカと暖かく、心安らぐほのぼのとした午後のひと時を過ごされました。
無事ご帰館後、
「とても充実した内容で、多数の国宝を間近に鑑賞できる、大変見ごたえのあるものでした。ありがとう」
とのご感想をいただき、満足されたご様子にホッと胸をなでおろした私でした。
これからも、“Life Focus”の取り組みをとおして、ご本人の『ご興味のあること』やその方の『あるべき日常』を追求し、お一人おひとりが望む生活の実現につなげてまいりたいと思っています。
次回もお楽しみに。