今回は、現役時代、W大学で鉱物の研究の傍ら講師をされていたI様のインタビューの様子をご紹介いたします!
スタッフ
本日は、W大学高等学院で「鉱石」について長年研究をされてきたI様に「鉱石の魅力」についてお伺いしようと、インタビューさせていただきました。
I様
まず、鉱石はですね、環境や時季によって変化します。
スタッフ
今は梅雨の時期ですけど、湿気や雨に影響されるということですか?
I様
ええ。鉱石は錆びてしまうので、雨は大きく関わってきますね。
スタッフ
鉱石って、そもそもどうやって出来るのでしょうか?
I様
それはですね、地下にあるドロドロしたマグマが、雨などで冷やされ、固まって出来るのです。そこには、グラビティ(重力)が深く関わっていて、それによって地表に出てきたりするのです。
スタッフ
そうやって地表に出てきた鉱石を採掘しながら、研究をされてきたのですね?
I様
ええ。地面の下にどんな物が埋まっているのかを探ってきました。「母岩」というものがあってですね、その母岩と鉱物がどう混じりあっているかが重要なのです。
スタッフ
母岩ですか?初めて耳にしました。
I様
母岩は水銀を含んでいる物もあるのですが、水銀は毒性がありますから、その母岩がある土地に住んでいる人との関係性を調べることもあれば、山に登って採掘したこともあります。結構滑りやすいので危険なのですよ(笑)
※母岩...有用な鉱物や温泉など、着目される資源を取り巻く母体を為している岩石
鉱石についての魅力を、時折冗談を交えながらも真剣に語られているE・I様 未発見の鉱石を発掘されるなどの功績を持たれている。
スタッフ
I様は当時まだ発見されていなかった鉱石を発掘したとお伺いしたのですが、それをオリンピックに例えると銀メダルに相当するとか...?
I様
銀メダルはもらってないですけどね(笑)日本でしか取れない鉱石もあるのですよ。
スタッフ
日本と世界とでは採掘できる鉱石が変わってくるのでしょうか?
I様
細かく言えばあるのでしょうが、一言でどう違うか説明するのは難しくて。でも、そこを研究するのが醍醐味なのですよ(笑)
スタッフ
例えば、この鉱石(お部屋に飾られている立派な石)ですが、I様が採掘されたものですよね!
I様
これはですね!銅が含まれていて、黄鉄鉱という石です。別名、「パイライト」とも言われていますが、色は水銀に近い。
スタッフ
ほぉ!なんか、すごい石ですね!
I様
いやいや、特に珍しくもないよ。この辺りにはないだろうけどね(笑)誰かこの石について教えてくれないかい?(笑)
スタッフ
珍しい石のようなので、知っている人はI様くらいですよ!(笑)
I様
ははは(笑)
スタッフ
今回、「鉱石」についてお伺いするにあたり、私も少し石の名前を調べてきたので、次はそれについてお訊ねしますね!
I様
はい、どうぞ。(笑)
スタッフ
名前の響きがいい「トパーズ」は、どういった鉱石なのですか?
I様
(間髪入れず)これはですねぇ・・・、関東地方にはない石ですね。
スタッフ
西日本で採れるのですか?
I様
そうです。東北地方にあるとも聞いたことは無いですね。
スタッフ
滋賀県にある田上山(たなかみやま)ってご存知ですか?
I様
あぁ、そうそう!有名な山ですよ。そこで採れたかもしれないね。とても気品のある鉱石で、水晶に分類されていて、透明で美しい。
スタッフ
いいですね!次は「翡翠(ヒスイ)」について伺ってもいいですか?
I様
翡翠はねぇ、日本では珍しくて、石というよりも宝石に近いですね。色はほぼ透明で高く売れる。(笑)
スタッフ
透明であればあるほど、価値は高くなるのですか?
I様
これがねぇ、透明だから価値が上がるというわけではないんだよ。ただ、見た目は大事だね。「美男美女 」と同じだ。(笑)
スタッフ
なるほど。石にも顔があるのですね(笑)では、「アメジスト」はどういった鉱石なのですか?
I様
それも水晶の一種ですね。ただ、私の研究外のものなのであまり知らないのです。その名前を知っているのは、大したものですね(笑)
スタッフ
ありがとうございます!あと、自分が気になった石で、「瑪瑙(めのう)」と呼ばれる石について教えて頂けますしょうか?
I様
これはですねぇ、鉄分と水晶が混ざって出来ている石なんだよ。色は鉄分が入っているから茶色がかっていてね、縞模様になっている。あと、大きさも大事なんだ。
スタッフ
大きさも価値に関係があるのですか?
I様
そうだよ。鉱石というのは、大きければ大きいほど価値があるものでね。
スタッフ
なるほど?、鉱石は奥が深いですねぇ...。
I様
いやぁ、その通り、奥が深くて、研究も大変ですよ。(笑)
こちらからの唐突な質問になんでも答えてくださるE・I様 鉱石のことなら、お任せあれ!
スタッフ
最後になりますが、ズバリ!「I様にとって鉱石とは?」
I様
僕にとって、研究者当時は収入を得るための仕事ということ だったのかな...。研究費は学校から出ていたけどね。
スタッフ
鉱石はI様にとって、人生の一部なのですね。
I様
でも、人生を左右するほどのものでもないよ。他に専門の収集家がいたからね。
スタッフ
鉱石の魅力って何でしょうか?
I様
やっぱり、石が"綺麗"なところだね。とても美しい。それとね、戦争中は水銀が多く必要だった。軍事用の武器を作るためにね。その時、「水銀って何だろう?」と疑問に思ったことを覚えてます。。
スタッフ
それが、I様と石との最初の出会いだったのですね。
I様
そうだね。それが、人生で初めて石について考えた時なのかな。
スタッフ
今日は貴重なお時間を頂き、ありがとうございました。また、こういう機会がありましたら、色々なことを教えて下さい。
I様
こちらこそよろしくね。
(ここでガッチリ握手させていただきました)
楽しい時間をありがとうございました!
ライフワークとして、長く、深く研究なさってきた鉱石のことだったので、お話しが饒舌にどんどんと広がるI様。
力を注いできたことを訊かれると、誰でも熱が入りますよね!
専門性の高いことでしたが、ユーモア溢れるお話しだったので、我々も大変解りやすくとても楽しい時間でした。30分程のインタビューでしたが、あっという間に終わりました!
あいにく、この日は雨模様でしたが、3階のライブラリーコーナーで書物に囲まれながら、知的好奇心をくすぐるお話をたくさん伺うことが出来ました。
次回は、どんなテーマでお話しを聞かせていただこうかと、スタッフもこの時間を楽しみにしております!I様!またよろしくお願い致します!
今後は、他のご入居者の皆様にも貴重なお話をインタビューして参りたいと思います!