皆さん、こんにちは。ライフマネージャーの小堀です。
「孫は目に入れても痛くない」
お孫様を持つ方であればどなたでも、共感される言葉ではないでしょうか。
小さな手をのばして抱っこを求め、「じぃじぃ(ばぁばぁ)大好き!」といわれると、もう何でもしてあげたくなる。
笑顔はもちろん、泣いてぐずった顔さえ愛おしい。
わが子に感じていた子育てに対する責任やプレッシャーなく、ゆとりを持って接することができるお孫様は、子どものかわいらしさを十分に実感できる存在であり、また、ふとしたときの表情や仕草に、幼き頃のわが子の姿が重なり、ますます愛おしく感じる方も多いのではないでしょうか。
『わが孫の晴れ姿をこの目で見たい。一緒に並んで記念写真を撮りたい。』
今回のブログでは、そんなおじい様としての強い想いを支え、願いを実現させた感動のエピソードを、3回にわたってご紹介したいと思います。
物語の主役であるM様は、本ブログにてシリーズ化しております、"Life Focus(LF)"をかたちにする取り組みにご登場いただいている方です。
以前のブログで、『死ぬまでに分厚いステーキが食べたい。』とのご希望を受け、LFの日を活用して近隣のレストランに出かけたり、ホームでご用意した特別メニューを召し上がっていただいたりしたケースをご紹介しています。
その後も、M様と担当のパーソナルアシスタント(ご入居者個別担当:以下PA)は、LFの日にお部屋や屋上フロアでお茶会をしながら、思い出話や世間話をすることを継続していました。
ある日、ご家族が「孫が新聞に出てるよ。」と掲載記事をお持ちになりました。それは、お孫様が務めている会社の企業広告で、社員の一員としてお孫様の顔写真が載っているものでした。
「おー、○○(名前)ちゃんだ、昔はあんなに小さかったのに、大きくなって立派になったなぁ...」とひと言。
PAがお孫様との思い出を伺うと自然とお顔がほころび、愛情の深さをにじませます。
そんなお孫様が近々ご結婚なさるとのことで、ご家族が結婚式の招待状を持ってきてくださったのです。
それ以来M様は一日に何度も、机の上に飾っている結婚式の招待状を眺めていらっしゃいました。
「結婚するのか...これは俺も行くのか?でも、こんなんじゃ行けないよな。」
と、行きたい気持ちがある反面で、ご自身の体調やあまり歩けないことに対し、不安がっているご様子でした。
しかし、ご家族、特におじいちゃん子であったお孫様からの「ぜひ出席してほしい。」というお気持ちを考えると、何としてもM様の結婚式ご出席を叶えて差し上げたい。PAを始め、ホームのスタッフ全員がM様のご出席を応援したいとの想いを募らせました。
そこで、どうすればM様が結婚式にご出席できるのか。ホーム長、ケアマネジャー、ライフマネージャー、PAは問題点の洗い出しと、その解決策について話し合いを行いました。
まず、日々の体調管理を担うホームのナースチームや往診医に相談し、ご本人の負担を最小限に留めるための当日のルートやタイムスケジュールなどを確認して、ドライバーとも情報を共有しました。
次に、お孫様やご子息夫妻と当日の段取りや、リスクについての説明なども行いました。するとご家族も、当日に向けてのイメージが具体化したことで、安心された様子でした。
段取りが決まったところで、M様に結婚式にご出席いただける準備が整ったことをお伝えすると、喜色満面のこの表情!
お腰を浮かせ、今にも飛び上がりそうなくらい身体全体で喜びを感じていらっしゃるご様子を拝見し、私たちの使命感はさらに高まりました。
ぜひ、この喜びをお伝えすべく、結婚式当日にお孫様への"想い"をしたためた「手紙」をお渡ししようということになりました。このことは、お孫様はもちろん、ご家族にも秘密の計画です。
お孫様のとの思い出を振り返りつつ、今後の結婚生活に向けての応援メッセージを書かれるのでしょうか...。
熱心に机に向かうK様のお背中を、スタッフはそっと見守りました。
さて、式当日に向け、その他の準備も着々と進めていきました。
ご家族にご持参いただいた礼服の試着もしてみました。
「何年も着てないからないからな...」とのご本人の心配とは裏腹に、見事ジャストサイズ!
ロマンスグレーの紳士出現に、着換えをお手伝いしたスタッフも思わず息を呑んだほどでした。
また別の日には、ライフマネージャーである私とドライバーの2名で、会場となる横浜迎賓館へ下見に出かけました。
ホームから式場までのルート確認や、当日の開始時刻に合わせて到着できるようタイムスケジュールの調整を行いました。加えて、お孫様担当のウエディングプランナーの方から、当日の流れやご新郎、ご新婦、列席者の方々の動きなどについてレクチャーを受け、本番に向けてのイメージを固めました。
さて、いよいよ結婚式当日を迎えました...。