皆様、こんにちは。Aチームケアリーダーの長谷部です。
今回は、"Life Focus"の日におけるAチームの取り組みについて、ご紹介したいと思います。
写真のご入居者、K様のご趣味は「能楽」です。若いころから数十年にわたって本格的に取り組まれ、有名な能楽堂の舞台にも立たれたご経験から、今もなお、興味や関心を持ち続けていらっしゃいます。
舞台で仕舞を披露されていたころのアルバムをご覧になるK様。
他のご入居者やスタッフも一緒に拝見しながら、その時のお話を伺います。
謡本を今でも大切に保管されており、皆様のリクエストに応じて、能特有の台詞回しや節で謡を披露してくださいます。
実はホームご入居後にも、"Life Focus"(LF)の日に「久しぶりにまた能楽堂へ行きたいわ」とのご要望にお応えし、スタッフが都内の能楽堂へお連れしたこともありました。
このお写真は、その時のものです。
しかし、このところのコロナ禍で外出が極めて高いハードルになってしまい、気軽に能楽鑑賞に出かけることが難しくなってしまいました。
そこで、このような状況下でも、K様の素晴らしい趣味を、日々の生活の中で継続して楽しんでいただける方法はないかと、LFチームメンバーとライフマネージャーで検討を重ねました。
そして、最初に思いついたのは、パソコンやタブレット端末で動画をお見せすることでした。しかし画面が小さいため、どうしても迫力に欠け、ご本人の満足感が得られにくい状況でした。
それならばと、当ホームのグランドダイニングに設置されたプロジェクターを活用し、動画を大型スクリーンに投影してみました。
すると、「こんな大きな画面で凄いわね!」と、映画館に迫る音響と映像の空間表現に圧倒されたご様子。
時間の経つのも忘れて、じっくりとスクリーンに見入っていらっしゃいました。
「本当に舞台を見ているみたいね...。」
しみじみと呟かれたお姿がとても印象的でした。
「また、能楽堂へ舞台を観に行きましょうね」とスタッフがお誘いすると、
「ええ、ぜひ!」と、お答えくださった笑顔には、期待感が満ち溢れているようでした。
発達心理学の世界では、加齢とともに筋力や体力は劣っていくものの、高齢になっても伸びていく能力があるとされています。
特に、精神機能は必ずしも衰退するとは限らず、生涯発達するともいわれています。
だからこそ、興味や好奇心を持ち続けることが大切なのだと思います。
生涯をかけて楽しめる趣味を持つことは、精神面の活性に大きな役割を果たし、生活の充実や生きがいにつながっていくものではないでしょうか。
K様が、いきいきとした表情で能楽を語るお姿を拝見し、そう実感しています。
これからも、K様はじめご入居者の皆様が、生きがいを感じながら心身ともに健やかにお過ごしいただけるよう努めてまいります。