皆様、こんにちは。ケアチームリーダーの樋口です。
介護サービスの品質を高め、維持していくための必要な要素のひとつに、ホームのスタッフたちが生き生きと働ける職場環境というものがあると思います。また、「人財」という言葉があるように、ソナーレ祖師ヶ谷大蔵では特に、人財の育成に力を入れており、様々な工夫や取り組みを行っています。
以前のブログで、ケアスタッフの一日の仕事内容をご紹介しましたが、今回は、新人スタッフの指導がどのような形で進められているのか、その一部を紹介したいと思います。
新しくソナーレ祖師ヶ谷大蔵のスタッフとなったTさんが、介護技術講座をブログに掲載している安西さんから指導を受けます。
研修初日は、ホーム長より、当社のコンセプトである"LifeFocus"について学ぶ講義やコンプライアンスやキャリアアップ制度、各種ケアに関連するマニュアル等ソナーレで働くために必要な座学を行い、その後、いよいよ現場でのOJT(※)が始まります。
(※)OJT(On-the-Job Training)とは、職場で実務をさせることで行う従業員の職業教育のこと。
OJTではマンツーマンで指導をします。
初めは指導スタッフが介助のお手本を見せます。その後、指導スタッフが見守る中、新人スタッフが実際にご入居者の介助を行います。
介護の資格をすでに取得しているTさんですが、現場の状況やご入居者の身体機能に応じて、教科書や講義で習った知識や技術が活かせる場面と臨機応変な対応が求められる場面があり、最初は不安の連続です。
OJT中にはさまざまな質問が出てきます。
新人スタッフTさん:「片麻痺のご入居者に服を着ていただく時に、麻痺側から袖を通す手順は理解しているのですが、それがどういう理由なのかが曖昧で...」
指導スタッフ安西さん:「確かに、【脱健着患】(衣服を脱ぐときは健側(疾患が無い方)の腕や脚から脱ぎ、着るときは患側(疾患がある側)から袖を通す)と教科書で習いましたよね?片麻痺の方は、手全体が麻痺の影響で動きにくかったり、感覚障害を持っている場合があるから、袖に腕を通すという動作でも苦労してしまいます。
また、関節の拘縮や亜脱臼といった症状を抱えている方もいて、その方の腕を急に伸ばしたり曲げたりすると痛みを伴う場合があります。だから、この手順で介助を行うことで、ご入居者の身体の負担が減るわけです。」
このような、「なぜ?どうして?」という疑問を常に考え、解消しながら行動することで、自身の知識や技術面が磨かれます。基本的には、そのご入居者のケアプランに基づいた介護支援を行います。しかし、体調の変化やその時のご入居者の気持ちによって、一律の介助方法では対応することができません。
そのため、日々のこうした努力や気づきの積み重ねが重要になってくるのです。そういった細かな部分もOJTの中で養われます。それ以外に、言葉遣いなどの接遇面のチェックや、業務の流れ、業務上の細かいルールなどを説明していきます。
新人スタッフの育成進捗度を測る上で、どのご入居者に、どういった介助ができたかをチェックするリストを用いています。項目には、「見学」もしくは「実施」の記載があり、このリストを見るとどこまで仕事が習得できているか一目で分かるようになっています。
また、指導スタッフは勤務シフトの都合上、日によって代わるため、前回の指導スタッフが、次の指導スタッフに対して申し送りを行うための引継ぎ表があります。
この表は新人スタッフの「理解度・習熟度」などを共有して、スムーズで無駄のない指導を進めるためのものです。育成状況に応じて、1か月~2か月の間マンツーマン指導を行い、慣れてきたら徐々に独り立ちをしていく形となります。その間、指導スタッフや先輩スタッフは、新人スタッフを気にかけながら仕事の悩みや相談などにも乗っています。
いかがでしたでしょうか?
新人スタッフの育成は、指導を受ける側だけでなく、指導をする側も大きく成長していきます。ホームの魅力は、綺麗な建物や設備ではなく、あくまでも「人」だと私は思います。ソナーレ祖師ヶ谷大蔵では、今後も人財育成に力を入れ、素晴らしい仲間とともにご入居者の皆様によりよい介護サービスを提供してまいります。
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