こんにちは。ソナーレ浦和の副ホーム長兼ライフマネージャーの豊島です。
2月18日と19日に「ダイバージョナルセラピーワーカー(DTW)養成講座」を受講しました。全8日間、毎月2日間ずつの開講日程で、今回は初月2日間に当たります。北は北海道、南は熊本までさまざま地域から受講生が集まっており、関心の高さを感じさせる講座です。私自身これまで12年間介護に携わってきましたが、この新たな学習の機会に胸躍らせています。
ダイバージョナルセラピーは約50年前にオーストラリアで生まれました。ダイバージョンを直訳すると気分転換や気晴らしという意味で、日本に入ってくる時には気晴らし療法などと訳されていたそうです。講座のテキストには「朝、ベッドから起き上がる理由をもてるように手助けすること」とあり、私が兼務するライフマネージャーも実はこのケア思想を取り入れています。
まだダイバージョナルセラピーを語る資格は私にはありませんが、最初の講義を終えた時点では、さまざまな事情で、本来のその人らしさが発揮できない方に対し、自分らしく生きたいと願う気持ちとその実現を手助けする、自分らしさ再生のセラピーだと理解しています。
介護現場では病や加齢により心身機能が低下しないよう治療や療法が行われています。薬を飲みましょう。栄養を摂りましょう。運動しましょう。他者と交流しましょう。しかし、ご利用者が「これ以上体が不自由になると皆さんに迷惑かけてしまうから」と気を使われることもあり、かえって情け無い気持ちにしてしまっているのではないかと思うこともありました。
介護保険は高齢化社会に備えた公的制度であり、できないことを補い、それを予防したり、回復したりすることを目的とします。しかし、失った部分を補完するだけで人は幸せな老後を迎えられるのでしょうか。これは本当にご利用者が望む人生なのでしょうか。今回の養成講座受講により、ダイバージョナルセラピーはこれまでの介護経験の中で私が感じてきたこうした疑問の答えとなる思想なのではないかという手ごたえを持つことができました。
ダイバージョナルセラピーワーカーはオーストラリアでは大学で学ぶことにより取得できる資格で、自分らしく主体的に老いを楽しむための手助けを行う専門職として確立されています。ソナーレはこうした進んだケア思想を取り入れ、ご利用者が自分らしい暮らしや生き方を選択できることを目指したホームであり、そのための独自職種としてライフマネージャーが誕生しました。ダイバージョナルセラピーワーカーとしてもライフマネージャーとしても未熟な私ですが、残りの講座を通じて一歩ずつ成長していきたいと思います。