皆様、こんにちは。ケアチームリーダーの樋口です。
前回、「心の絆Life Focus days」でご入居者と担当のパーソナルアシスタント(以下、PAといいます。)の関係について取り上げましたが、その中で、ご入居者のご家族から「PAの仕事内容を詳しく教えてください。」とご意見を頂戴しましたので、ご紹介いたします。
PAは、ソナーレ独自の呼称であり、一般的にはあまり馴染みのないワードだと思います。
簡単に申しますと、ご入居者おひとりに対して1名のケアスタッフが個人担当としてつき、ホームでの生活(ライフ)がより充実したものになるようにサポートしていく役割のことですが、他の介護施設であるような身の回りの整理整頓などをメインとする『居室担当』とは少し違います。そんなPAの主な仕事内容を5つに分けて説明したいと思います。
■日々の関わり合いを通じて、ライフアセスメントを行う
PAは、ご入居者の日々の生活に関わらせていただく中で、様々な情報収集を行っています。
ライフアセスメントとは、「これまで」「いま」「これから」の項目において、「これまでどのような人生を送られてきたか?」「今現在の好きなことや不安なことは何か?」「今後どのようなことをしてみたいか?」などを担当PAが聞き取ることをいいます。
例えば、居室にお茶をお届けした時や、入浴介助をしている時などの何気ない日常会話から、『その方らしさ』を知る瞬間が多くあります。それらを、いかに気づくことが出来るか、それらの気づきから、どのようにしてその方らしい生活に繋げていくか、または課題解決に導けるかがPAとしての腕の見せ所になります。 また、そこで得られた気づきをカンファレンスにおいて検討し、日常生活に落とし込んでいきます。
■ライフプランの実現に向けて取り組む
「ライフプラン」は、ご入居者のライフヒストリーや価値観などをもとに、「その方らしい生活」を提案し、実施していく計画書のことです。
ライフアセスメントによって得た情報から、ご入居者が出来ることやしたいことなどをまとめ、そのプランが実現できるよう多職種とカンファレンスを実施します。
完成したご入居者のライフプランは、関係者と共有しながら、LF(ライフフォーカス)の日やレクリエーションなどの日々の活動で取り組み、ご入居者にとっての「自分らしい生活や楽しみ」を実現していきます。
ライフプランを提案し、実施しているLFの日の様子をまとめた記事はこちらです。
※ご入居者のLF活動内容の報告と反省、次回の活動についてのカンファレンスを開く担当PAと多職種。同時に介護方法・ライフプランの更新や見直しなども行っています。
■買い物代行物品の聞き取り
ホームでは月に数回、ご入居者に代わって買い物に行くサービスがあります。
PAは、ご自身でのお買い物が困難なご入居者に対して、買い物物品の聞き取りを行い、ホームのスタッフが代わりに買い物にいきます。
※買い物について、事前にご家族の了承が必要な方は別途対応します。
■居室内の環境整備
PAは、ご自身で居室内の環境整備が困難な方に対し、箪笥の洋服の衣替え・整理や消耗品の追加発注などを行います。当然のことながら、ご入居者と一緒に整理したり、許可をとってスタッフメインで作業する場合もあります。
また、ご入居者の体調や身体状況の変化によって、バリアフリー(手すり・スロープ等)の設置やベッドや箪笥の位置変更がある場合は、多職種と相談をしながら居室整備をします。
ご入居者の洋服を整理している様子。
■一筆箋(ご家族への手紙)の作成
ホームでは、ご入居者のご家族へ月に1回一筆箋をお送りしています。
内容はご入居者の日々の活動(LFの日・レクリエーション等)や日常の様子について、本人の発言内容などを交えて報告しています。ご入居者の様子を記載することで、どのようにお過ごしいただいているかお伝えすることができるとともに、ご入居者・ご家族とスタッフをつなぐ大切なツールの一つになっています。
※一筆箋を書いている様子。以上が主な仕事内容です。
通常のケア業務は担当のご入居者に限らず行いますが、業務の中に、「ご入居者との時間」を組み込むことによって、個々の想いや希望、悩み等を傾聴する機会を増やし、常にご入居者と同じ方向を向いて接していきます。
いかがでしたでしょうか?
このように、パーソナルアシスタントは日常のケア以外にも様々な取り組みをしています。
新人ケアスタッフのMさんが、初めて担当になった時は「○○さんが好きなものはなんだろう?」「○○さんが快適に過ごしてもらうにはどうしたらいいのだろう?」と緊張をしながらも一生懸命ご入居者と向き合って取り組んでいたことは、今では良い思い出です。
これからも私たちスタッフは、ご入居者の充実した生活のために日々邁進していきます。