皆さん、こんにちは。ケアスタッフの中原です。
当ホームでは、ホーム運営を円滑に進めるために、安全衛生やリスク管理、環境整備等の各種委員会を設置し、すべてのスタッフがそのいずれかに所属しています。
私が所属しているのは、日々のレクリエーションや年中行事、イベントの企画および運営を担う「レク委員会」です。委員会メンバーは、レクリエーション系の資格を保有する人、手先が器用な人、楽器演奏が得意な人など多彩な顔触れとなっており、経験の浅い私はとても心強く感じています。
さて、今回のコラムでは、そんな私が四苦八苦しつつも、ご入居者のご支援をいただきながら、何とか自分が企画したレクリエーションをやり遂げたエピソードをご紹介したいと思います。
コロナ禍で外部のレクリエーション講師をなかなかお呼びできないこのところは、レク委員が企画したオリジナルのレクリエーションを実施しています。
そこで私も今回、「コラージュ絵はがき」という企画を立てました。
コラージュは写真や印刷物を切り貼りして新たな作品を作る技法です。
レク導入に当たっての留意点は、
・簡単すぎず難しすぎないこと。
・多くのご入居者の皆様が取り組みやすい内容であること。
等が挙げられます。
これらを意識しつつ、皆様が親しみやすいように「お人形」の図案を考え、絵はがきの試作品を作ってみました。
女性のご入居者の多くは、きっと幼いころにお人形遊びをされたことでしょう。そのお人形を思い起こすような、大きな瞳と愛くるしい口元、そしてふっくらとしたほっぺのかわいいお顔が描けないものかと、何度も試作を繰り返しました。
しかし、単純なようでこれがとても難しい...。目、鼻、口、それぞれのバランスが微妙に違うのか、なんだか表情に乏しい顔立ちになってしまいます。
???...。
さんざん悩んだ末、お顔は手描きにすることとしました。
やはりお人形は「顔が命」。今回、改めて痛感いたしました。
人形の洋服と帽子、リボン等の装飾品は、雑誌やカレンダーなどのカラフルな写真から型を切り取り、せっせと材料を揃えていきました。
よし!これで何とか行けそうです。
さて、準備万端と信じて迎えたレクリエーション当日。
見本や作業手順を示した用紙をご用意し、まずはお手元の器用な方々からご案内しました。
お一方ずつ、お好みのお顔や洋服のパーツを選んでいただき、見本をお見せしながら手順をご説明すると...。
さすがです!戸惑うことなく、ご自身ですいすいと進めていかれるではありませんか!
しかも、とても楽し気。鼻歌まで聞こえてきそうなくらい...。
ならばここは、ご自身の思うままにお任せした方がよさそうです。
そこで次に、サポートが必要な方々をご案内し、個別にスタッフがついて絵はがき作り始めました。
するとこれが意外とタイムスケジュールどおりに進まず、だんだんとお待たせしてしまう方がでてきてしまいました。
手持無沙汰で申し訳ない...。どうしましょう。
他のスタッフも皆、どなたかに付き添っていて、その場を離れることができません...。
そこで、先ほどからご自身で手際よく作業を進めていらっしゃったあるご入居者に
「すみませんが、よろしかったらこちらの方に手順をお教え願ってもよろしいでしょうか?」と、お尋ねすると
「あら、いいわよ」とご快諾!
「さぁ、あなたも一緒に隣に行って教えてあげましょうよ」と、お向かいに座っていらした方もお誘いくださり、進んで先生役を増やしてくださったのです。
手一杯となっていた私たちは本当に大助かりです!
しかも、教え方も大変上手。ご入居者同士の会話も弾み、親睦も深まっているようです。
私は、ありがたさに感動しつつ、お待たせしていた方に付き添って作品を仕上げていくことができました。
こうして、何とか皆様の作品が完成しました。どれも皆、個性あふれるステキな仕上がりです。
ご参加者からは「かわいいわ!」「参加してよかった」との満足気なお声をたくさんいただき、私自身もとても嬉しくなりました。
こちらは、先生役を買って出てくださった方の作品です。植物が大好きな方らしく、各パーツをグリーンで統一して仕上げ、居室の表札に飾ってくださいました。
この方のお部屋をお尋ねするときはいつでも、この可愛らしい女の子が迎えてくれるので、スタッフの間でも評判を呼んでいます。
こちらは華やかなピンク系のパーツを選び、ご本人の雰囲気にぴったりの作品に仕上げてくださいました。
「お部屋の冷蔵庫に貼ったらね、みんなが目を留めて、とってもかわいいですねって言ってくれるのよ」と、とても嬉しそうに話してくださいました。
今回のレクリエーションは企画段階から何かと悪戦苦闘が続き、実施に当たってもペース配分がうまくいかない等、想定外のアクシデントに見舞われて心折れそうにもなりましたが、ご入居者の皆様のお力添えで何とか無事終了することができました。
快くお手伝いをお引き受けくださった方々には感謝しかありません。そしてまた、完成した作品を手に皆様がお見せくださった笑顔も決して忘れることができません。
この感謝の気持ちと喜びを次への糧とし、今後もチームメンバーと協力しながら、少しでも皆様の心に残るようなレクリエーションを企画していきたいと思っています。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。