皆様、こんにちは。ケアスタッフの安西です。
今回は、「体位交換」と「ポジショニング」の基本について説明いたします。
人間は年齢を重ねるにつれ、「老い」や「衰え」を感じるようになります。特に、高齢者に多く表れる身体的な特徴の変化としては、全身の筋力が低下し足腰が弱くなったり、食べ物を食べるときにむせこんだりといった体力の衰えが挙げられます。
そこで、持病をお持ちの方や、転倒による骨折、新たな病気を発症した方にとっては、今回のテーマである「体位交換」や「ポジショニング」が非常に重要となるのです。
「体位交換」とは、体の向きや位置を変えることです。若く健康な方は、自力で寝返ることが可能ですが、加齢による衰えや何らかの病気や怪我で自力で寝返りが打てない場合は、介助者が体の向きを変えるサポートをします。
また、効果的な体位交換を行うためには、「ポジショニング」が重要です。ポジショニングとは、介助者が体の向きを変えた際、ご自身でその姿勢の維持が困難な方のために、クッションやタオルなどを使用して安楽な姿勢を保つために行うものです。
ではなぜ、ずっと同じ姿勢で寝てはいけないのでしょうか?それは、長い時間同じ姿勢で寝ていることで起こる身体への影響として、褥(じょく)瘡(そう)(床ずれ)・浮腫(むくみ)、各関節部の拘縮(こわばり)等が起こるからです。
特に上記の中で一番のトラブルとなるのが、褥(じょく)瘡(そう)(床ずれ)です。
褥(じょく)瘡(そう)とは、長時間、体重で圧迫されている箇所の血流が悪くなり、滞ることで、皮膚の一部が赤い色を帯びたり、ただれたり、傷が出来てしまうことです。
他にも、オムツ等の使用による「湿潤(むれ)」や、ベッドに垂直方向に働く圧力と水平方向に働く摩擦力により生じる「せん断力(ずれ)」等があります。骨が突出している箇所や皮膚が薄い場所は、褥(じょく)瘡(そう)になりやすい状態にあります。このような症状を予防するためにも、体位交換やポジショニングは必要不可欠なケア技術であり、安楽な姿勢で過ごせる環境作りがとても重要になるのです。
ここでは、仰臥(ぎょうが)位(い)(仰向け)・側臥(そくが)位(い)(横向き寝)の二種類について紹介します。
【仰臥(ぎょうが)位(い)(仰向け)の正しいポジショニング】
※クッションを効果的に使用し接触面を増やすことで、筋肉の緊張が緩和して安楽な姿勢が保つことが出来る。
そうすることによって、体圧を分散し身体をクッションで支える。
【側臥(そくが)位(い)(横向き寝)の正しいポジショニング】
体位交換のポイント
基本的に、2時間に1回、体位交換が必要と考えられておりますが、在宅介護では介助者の負担もありますので
高齢者の身体状況やマットレスの質等によっては、4時間に1回でよいとの考え方もあります。
他にも、身体をねじらないことや身体とクッションの間に隙間を作らないことなどのポイントがあげられます。
いかがでしたでしょうか?
側臥位(横向き寝)のポジショニングなどは、若い方でも非常に心地よく眠れると思いますので、是非試してみてくださいね。
以上で、今回の体位交換・ポジショニングについての解説を終わります。